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問いかける技術(1)

コミュニケーションといえば、自分が「話す」ことや単に「聞く」ことに意識が向いてしまいがちだが、「問いかける」という行為は、時としてたった一言で場の空気を変え、人の視点や考え方を変え、相手との関係を変える力を持つ。
よいリーダーもよいコーチも、指示・命令する以上に、いつも相手に問いかけをしているものだ。
もっとも、ただやみくもに質問すればいいわけではない。
よい人間関係の構築に役立つのは「謙虚に問いかける」ことだ。

「謙虚に問いかける」は、相手の警戒心を解くことができる手法であり、自分では答えが見いだせないことについて質問する技術であり、その人を理解したいという純粋な気持ちをもって関係を築いていくための流儀である。
安全を第一に考えなければならない危険を伴う業界では特に、良好な人間関係と信頼度の高いコミュニケーションが人事の垣根を越えて組織全体で共有されていることが肝要である。
頻発しないまでもきわめて深刻な事態を招く事故、そこに共通しているのは、現場の従業員たちは事故を防ぐことができた、あるいは被害を最小限にとどめることができたであろう情報を持っていたにもかかわらず、それが組織の上層部まで届かなかったか、あるいは誰も聞く耳を持たなかったか、握りつぶされてしまったということである。

リーダーたる者は賢くなければならず、はっきりと方針を決め、価値観を明確に示すべきだ。
しかし一方では、人の上に立つ者こそ、「謙虚に問いかける」ことが必要だ。
なぜかというと、物事が複雑に絡み合い、人が協力し合わなければ進められない仕事こそ、信頼に基づく良好な人間関係が欠かせないからだ。
それなくしては、部下が安心して上司とコミュニケーションをとることはできない。
現場から上に向かう円滑なコミュニケーションがあってはじめて組織は力を発揮し、安全を確保することができる。

(つづく)

「問いかける技術」エドガー・H・シャイン著

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